日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
トピックス
VI.薬剤性脳症
望月 仁志宇川 義一
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 106 巻 8 号 p. 1579-1583

詳細
抄録

薬剤性脳症とは,薬剤の投与による脳の代謝異常によって生じる脳症で,稀な病態ではない.その症状は障害される部位により異なるため,意識障害から小脳失調まで多彩である.発症の機序は,薬剤の神経細胞・軸索への直接障害,髄鞘障害,脳受容体への作用,電解質異常,肝酵素相互作用,血管原性浮腫ならびに自己免疫性等が想定されている.原疾患とは異なる症状が出現した際には,薬剤性脳症の可能性に気付くことが重要である.

著者関連情報
© 2017 一般社団法人 日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top