2017 年 106 巻 8 号 p. 1659-1664
成人T細胞白血病(adult T-cell leukemia:ATL)は,1977年に日本において提唱された疾患概念であり,発見後40年が経過した.その間,病原ウイルスとしてヒト白血病ウイルス1型の発見やその病態解析に日本が大きな貢献を果たしてきた一方で,特に急性型やリンパ腫型では,予後はいまだに極めて不良であり,治療法の進歩に関しては,決して満足できるものではない.本稿では,ATLに対する治療法の現状と今後の展望に関して述べてみたい.