2018 年 107 巻 1 号 p. 38-43
C型肝炎に対する抗ウイルス治療は,直接,C型肝炎ウイルス(hepatitis C virus:HCV)を標的とする,直接作用型抗ウイルス薬(direct-acting antiviral:DAA)による治療が主流となっている.現在,HCVのプロテアーゼ,NS5A蛋白,NS5Bポリメラーゼを標的にした3種類の薬剤が開発され,短期間での安全なウイルス排除が可能となった.しかし,薬剤耐性変異ウイルスの存在や,現在,非代償性肝硬変例や肝癌症例には不適応である等の問題点も残っており,今後の展開が期待される.