2018 年 107 巻 12 号 p. 2430-2436
健康寿命を延伸させるためには,従来の「疾患に対する治療」という観点のみではなく,「予防医学的」な観点も必要である.その理由として,健康寿命を短縮させる要因は多岐に亘り,急性発症で要介護状態に陥る疾患ばかりではなく,特に後期高齢者では,徐々に身体の脆弱性が進行するフレイルという状況を経て,要介護状態に陥る例も多いためである.従って,フレイルを適切に評価することで,内科診療のなかからも健康寿命を延伸させる手掛かりをつかめる可能性が高い.