2018 年 107 巻 5 号 p. 865-871
抗がん薬に伴う急性腎障害は,薬剤性腎障害のなかで抗菌薬や非ステロイド性抗炎症薬(non-steroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)に次いで頻度が高く,白金製剤を中心とした尿細管障害,血管新生阻害薬やゲムシタビンに代表される血栓性微小血管症,メトトレキサートによる結晶性腎障害等がある.さらに,免疫チェックポイント阻害薬による間質性腎炎も注目されている.特異的な治療は存在しないため,薬剤以外の腎障害危険因子を排除しつつ,腎機能を適切にモニターし,早期に介入することが肝要である.