日本内科学会雑誌
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II.各論
7.抗ウイルス薬による尿細管機能障害
谷澤 雅彦
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2018 年 107 巻 5 号 p. 878-887

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抄録

 B型肝炎治療薬の核酸アナログや抗HIV(human immunodeficiency virus)治療薬による腎障害は少なくない.腎障害は,必ずしも血清Cr値上昇のみで表わされるわけではなく,特に尿細管障害は血清Cr値上昇によらない所見(尿細管性蛋白尿,低リン血症,代謝性アシドーシス,尿糖,低尿酸血症等)を呈することが多いため,これらの所見が早期発見の手掛かりとなる.抗ウイルス薬による尿細管障害の患者の多くは,既存の腎機能障害を有している場合も多いため,腎臓専門医へのコンサルトを要する.

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© 2018 一般社団法人 日本内科学会
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