日本内科学会雑誌
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今月の症例
特徴的な内視鏡像から早期診断に至ったIgA血管炎の1例
瀧 真也井口 幹崇前田 義政奴田 絢也井田 良幸吉田 岳市前北 隆雄川口 伸也加藤 順北野 雅之
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キーワード: IgA血管炎, 血豆様発赤
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2018 年 107 巻 7 号 p. 1350-1356

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抄録

22歳女性.従妹にIgA血管炎の家族歴あり.食事摂取困難な心窩部痛を主訴に受けた上部消化管内視鏡検査(esophagogastroduodenoscopy:EGD)で十二指腸に血豆様発赤を認め,入院となった.第5病日には腹痛増強と消化管出血をきたし,内視鏡像の増悪を認め,血管炎によるものと判断し,ステロイド加療を開始した.ステロイド投与により症状は速やかに軽快し,第13病日に両下腿に皮診が出現するも,症状の増悪はきたさなかった.腹部症状の先行したIgA血管炎は診断に難渋することも多いが,血豆様所見はIgA血管炎に特徴的な内視鏡像と考えられており,早期診断と治療の一助となる可能性がある.

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© 2018 一般社団法人 日本内科学会
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