日本内科学会雑誌
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今月の症例
肝切除後に発症した自己免疫性後天性凝固第V因子欠乏症
倉地 萌黄三橋 健次郎小宮 佑介佐藤 博之星野 茂
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2019 年 108 巻 11 号 p. 2341-2346

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抄録

61歳,男性.転移性肝癌に対し,肝切除術を施行.術後7日目に突然,PT(prothrombin time)・APTT(activated partial thromboplastin time)が延長し,第V因子活性の著明な低下及び第V因子インヒビターの存在が確認された.自己免疫性後天性凝固第V因子欠乏症としてprednisolone1 mg/kgによる治療を開始し,重篤な出血を来たすことなく,PT・APTTの正常化とインヒビターの消失が得られた.本症例では,手術侵襲や抗菌薬投与等が発症の誘因となった可能性が考えられた.

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© 2019 一般社団法人 日本内科学会
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