2019 年 108 巻 12 号 p. 2531-2538
29歳,男性.心窩部痛を主訴に当院を受診した.画像検査では,腹腔内に径2.8 cm程の境界明瞭な腫瘤を認めた.全身状態やその他各種検査所見からは悪性所見に乏しく,第一に限局型Castleman病(unicentric Castleman's disease:UCD)を疑った.腹腔鏡下で腫瘤切除を行い,病理学的にhyaline vascular typeのUCDと診断された.大網原発のCastleman病は極めて稀ではあるが,腹腔内腫瘤の鑑別疾患として念頭に置く必要がある.