日本内科学会雑誌
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今月の症例
Listeria monocytogenesによる経カテーテル的大動脈弁留置術後感染性心内膜炎を契機に大腸癌の診断に至った1例
宮川 峻宍戸 晃基山中 太田中 穣北川 泉齋藤 滋
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2019 年 108 巻 12 号 p. 2539-2546

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抄録

約1年前に経カテーテル的大動脈弁留置術(transcatheter aortic valve implantation:TAVI)の施行歴がある83歳,男性.発熱を主訴に来院し,心エコー検査にて,大動脈人工弁に付着する疣贅が認められ,血液培養検査結果より,Listeria monocytogenesを起因菌とする人工弁感染性心内膜炎(infective endocarditis:IE)と診断された.感染経路として消化管の可能性も疑い,臨床病期II期の進行大腸癌の診断も得た.Listeria monocytogenesを起因菌とするIEの場合には,消化管悪性腫瘍の存在を念頭に置く必要がある.

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© 2019 一般社団法人 日本内科学会
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