日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
今月の症例
脳転移を有する小細胞肺癌患者に認められたセフェピム脳症の1例
箭内 英俊川島 海矢崎 海沼田 岳士太田 恭子遠藤 健夫井岡 桂田代 裕一吉沢 和朗
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 108 巻 3 号 p. 568-574

詳細
抄録

84歳,男性.カテーテル関連尿路感染症に対してセフェピムを投与したが,意識障害及び不随意運動が出現し,脳波検査で三相波類似の高振幅徐波を認めた.セフェピムを中止したところ,症状は軽快し,脳波所見も改善した.セフェピム脳症は主に腎機能低下患者で認められるが,血液脳関門が障害された状況でも起こることが報告されている.本例は,癌の脳転移により,血液脳関門が障害された状態であり,セフェピム脳症が起こりやすい状況であったと考えられた.

著者関連情報
© 2019 一般社団法人 日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top