日本内科学会雑誌
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II.DKDの病理学的特徴
清水 美保和田 隆志
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2019 年 108 巻 5 号 p. 907-915

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抄録

「糖尿病性腎症」の病理分類が提唱され,病理所見と予後との関連が報告されている.一方,「糖尿病性腎臓病(diabetic kidney disease:DKD)」に包括される病態として,顕性アルブミン尿を伴わない糸球体濾過量(glomerular filtration rate:GFR)低下例では,軽微な糖尿病性糸球体病変とは対照的に,尿細管間質病変及び血管病変が進展した“腎硬化症”の特徴も認められる.さらに,糖尿病例には,糖尿病と直接関連しない腎疾患の合併も認められる.糖尿病に伴う腎障害の早期診断,予後診断ならびに特異的診断において,病理所見による層別化が有用と考えられる.

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© 2019 一般社団法人 日本内科学会
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