2019 年 108 巻 5 号 p. 937-943
平成28年(2016年)4月に国が策定した「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」のミッションは,糖尿病性腎臓病(diabetic kidney disease:DKD)の重症化予防により,「糖尿病性腎症による年間新規透析導入患者数の減少」及び「医療費の適正化」を実現することである.eGFR(estimated glomerular filtration rate)低下率を用いてハイリスクDKD患者を層別抽出し,減塩の実践継続,減塩実践困難例での医療従事者と保険者の連携協働ならびにGLP-1(glucagon-like peptide-1)受容体作動薬等を用いた腎保護治療を行い,治療効果をeGFR低下率の改善で判定する.