日本内科学会雑誌
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II.肥満・インスリン抵抗性がもたらす肝の炎症
太田 嗣人
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2020 年 109 巻 1 号 p. 19-26

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抄録

2型糖尿病と脂肪性肝疾患(非アルコール性脂肪肝炎(non-alcoholic steatohepatitis:NASH)/非アルコール性脂肪性肝疾患(non-alcoholic fatty liver disease:NAFLD))は高頻度に合併し,肥満,異所性脂肪,インスリン抵抗性ならびに慢性炎症を共通の病態とし,これらは双方の疾患の進展に深く関わる.肝臓の異所性脂肪化を基点に生じる炎症は,インスリン抵抗性を惹起し,非アルコール性脂肪肝(non-alcoholic fatty liver:NAFL)をNASHへと進展させる.過剰な細胞内ストレス,代謝性エンドトキシン血症ならびに自然免疫の過剰応答は,インスリン抵抗性と肝の炎症をつなぐメカニズム,且つNASH/NAFLDの早期ステージの治療標的と考えられる.

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© 2020 一般社団法人 日本内科学会
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