日本内科学会雑誌
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医学と医療の最前線
非遺伝性小脳性運動失調症の最前線―treatable cerebellar ataxia―
吉倉 延亮木村 暁夫下畑 享良
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2020 年 109 巻 6 号 p. 1138-1144

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抄録

非遺伝性小脳性運動失調症に対し用いられる皮質性小脳萎縮症(cortical cerebellar atrophy:CCA)という名称は,本来は神経病理学的診断名である.近年,ヨーロッパや本邦から,臨床的な新たな疾患概念とその診断基準が提唱された.しかし,これらの症例の病態は均一ではなく,多様な疾患が混在する可能性がある.具体的には,多系統萎縮症(multiple system atrophy:MSA)早期例(小脳系のみの変性を示す臨床亜型),稀な遺伝性疾患,そして,自己免疫性疾患が考えられる.我々は,自己免疫性小脳性運動失調症に着目し,本邦の非遺伝性小脳性運動失調症患者の血清中に存在する,抗代謝型グルタミン酸受容体1型(metabotropic glutamate receptor type 1:mGluR1)抗体をはじめとする抗小脳抗体を検出し,新たな診断法の確立に取り組んでいる.新臨床診断基準の導入,抗小脳抗体の検出と対応抗原の同定は,非遺伝性小脳性運動失調症に対する治療アプローチにパラダイムシフトをもたらす可能性がある.

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