日本内科学会雑誌
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今月の症例
長期間にわたり無症状で経過しα-グルコシダーゼ阻害薬の中止により改善した腸管囊胞性気腫症の1例
吉田 里穂稲見 光浩大田垣 裕濱岡 彩藤原 典子稲垣 早織宮原 弥恵岡信 秀治柿沢 秀明亀井 望
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2021 年 110 巻 11 号 p. 2426-2433

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抄録

83歳,男性.65歳で2型糖尿病を指摘され,78歳時にボグリボース0.9 mg内服を開始.全身倦怠感と食欲低下で受診し,腸管囊胞性気腫症(pneumatosis cystoides intestinalis:PCI)と診断.3年前のCT(computed tomography)検査,2年前の下部消化管内視鏡検査でもPCIの所見を認めていた.ボグリボース中止と保存的加療で気腫は消失.α-グルコシダーゼ阻害薬(α-glucosidase inhibitor:α-GI)によるPCIの報告はあまり多くないが,実際は無症状で経過し見逃されている例が多数存在すると考えられる.

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© 2021 一般社団法人 日本内科学会
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