日本内科学会雑誌
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今月の症例
APRVにより致命的な肺胞出血から救命し得たBCR-ABL1融合遺伝子陰性非定型慢性骨髄性白血病の1例
宿谷 結希武藤 秀治小沼 亮介岸田 侑也小西 達矢海渡 智史宮脇 修一富山 順治
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2021 年 110 巻 3 号 p. 613-621

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抄録

53歳,男性.非定型慢性骨髄性白血病(atypical chronic myeloid leukemia:aCML)に対し化学療法開始後,播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation:DIC)に伴う致命的な肺胞出血を合併した.物理的な止血効果を得るために,気道圧開放換気(airway pressure release ventilation:APRV)による平均気道内圧を高めた呼吸器管理を行った.その結果,呼吸状態の維持を図りつつ原病の治療を進めることができ,DICが改善し,救命し得た症例を経験した.APRVは,凝固異常を伴った肺胞出血に対して有用な止血手段の1つと考えられた.

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© 2021 一般社団法人 日本内科学会
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