日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
110 巻, 3 号
選択された号の論文の41件中1~41を表示しています
内科学会NEWS
目次
第48回内科学の展望 令和時代の総合内科学
1.序論
2.個別化医療の将来
3.遺伝子治療・細胞治療の将来
4.コモンディジーズの治療の進歩1
5.コモンディジーズの治療の進歩2
6.まとめ
2020年度日本内科学会生涯教育講演会
Aセッション
Bセッション
Cセッション
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 菊田 和宏, 正宗 淳
    2021 年110 巻3 号 p. 629-635
    発行日: 2021/03/10
    公開日: 2022/03/10
    ジャーナル フリー

    慢性膵炎は生活習慣病的要素を備えた疾患であり,2010年に「慢性膵炎の断酒・生活指導指針」(厚生労働省科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業難治性膵疾患に関する調査研究班)が示された.2011年にリパーゼ力価の高いパンクレリパーゼ製剤が薬価収載され,2012年に内視鏡的膵管ステント留置術が,2013年に体外衝撃波膵石破砕術が保険収載される等,膵石治療や膵内外分泌機能不全の管理は進歩してきた.慢性膵炎は,多くが非可逆性であるため,より早期の診断と治療介入が望まれてきたが,膵線維化や膵石,膵内外分泌機能不全といった進行した病理像や臨床像に基づいて定義・診断されてきたため,その早期の臨床像は明らかでなかった.近年,mechanistic definitionという新しい定義が提案され,慢性膵炎を新たに捉え直す機運が高まっている.日本では,2009年に世界に先駆けて早期慢性膵炎の概念が取り入れられ,2019年には診断特異度の向上を念頭に診断基準が改訂された.慢性膵炎診療のさらなる質の向上が期待される.

  • 武田 朱公
    2021 年110 巻3 号 p. 636-642
    発行日: 2021/03/10
    公開日: 2022/03/10
    ジャーナル フリー

    高齢化に伴い,認知症の増加が加速し,2050年までには全世界の患者数が1億人を超えると試算されている.認知症は,進行すると長期の要介護状態となり,社会・経済・保健医療等さまざまな面での負担が増加する.世界の患者の半数以上は開発途上国に集中しており,認知症による社会負担を軽減することが喫緊の課題となっている.認知症の根本的治療法は未だ確立されていないが,一方で,早期から予防的介入を行うことの重要性を示す医学的エビデンスが蓄積している.重要なのは早期診断であるが,問診形式の認知機能検査や脳画像検査等従来の評価法では,効率的な認知症スクリーニングは難しい.近年,生体液バイオマーカー測定技術の進歩や生体情報と人工知能を利用した診断法の登場により,全く新しい形の認知症診断が可能になりつつある.本稿では,認知症早期診断をより簡便且つ正確にする次世代型診断システムについて,著者らの研究開発も踏まえて概説する.

内科学会からのお知らせ
feedback
Top