日本内科学会雑誌
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今月の症例
免疫チェックポイント阻害薬ペムブロリズマブに起因したACTH単独欠損症の1例
和田 渚永井 聡重沢 郁美枝川 幸子半田 喬久鬼頭 健一吉岡 成人
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2021 年 110 巻 4 号 p. 794-801

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抄録

71歳,男性.左肺扁平上皮癌に対し,抗PD-1(programmed cell death-1)抗体であるペムブロリズマブを4回投与され,初回投与4カ月後に免疫関連有害事象(immune-related adverse events:irAE)としてのACTH(adrenocorticotropic hormone)単独欠損症を発症した.ACTH単独欠損症は,重篤化すると副腎不全となり,生命を脅かすため,早期発見が求められる.しかし,免疫チェックポイント阻害薬投薬時における本疾患の効果的なスクリーニング法は確立されておらず,定期的な臨床検査及び臨床症状からの総合的判断力が求められる.

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© 2021 一般社団法人 日本内科学会
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