日本内科学会雑誌
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今月の症例
急性右心不全・急性腎不全で発症し V-A ECMOを要した衝心脚気の1例
川原 有貴千葉 義郎山田 典弘椎名 映里郡司 真誠荷見 祥子黒澤 洋佐藤 ちひろ海老原 至大平 晃司
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2021 年 110 巻 8 号 p. 1649-1655

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抄録

60歳台,男性.めまい・倦怠感でA病院を受診し,急性腎不全で入院となった.入院時より心エコーで肺高血圧と右心系の拡大を認め,翌日に突然の血圧低下と意識障害,アシドーシスの急激な進行を認めた.数時間後に心停止し,緊急でV-A ECMO(veno-arterial extracorporeal membrane oxygenation)を導入した.その後も血圧低値が遷延したが,ビタミンB1の補充を行ったところ,血行動態は安定し,衝心脚気と診断した.原因不明の急性右心不全・肺高血圧の症例ではその可能性も念頭に置く必要がある.

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© 2021 一般社団法人 日本内科学会
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