日本内科学会雑誌
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今月の症例
顆粒球コロニー形成刺激因子関連大型血管炎に対しステロイド治療が奏効した1例
宮島 美佳高村 紗由里高橋 恵実山崎 翔子井口 昭山﨑 肇佐伯 敬子
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2022 年 111 巻 11 号 p. 2299-2304

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抄録

37歳女性,乳癌術後化学療法中,顆粒球コロニー形成刺激因子(G-CSF)製剤投与後より発熱,頸部痛が出現.高度の炎症所見と大動脈弓中心に大型血管炎の所見を認めた.G-CSF関連血管炎と診断し,大量ステロイド治療を開始し,速やかに症状,検査所見は改善.ステロイドは短期間で漸減中止し,再燃はない.G-CSF投与歴のある患者の発熱時は血管炎発症も念頭に問診,画像検査をすすめるとともに早期のステロイド治療も考慮すべきである.

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© 2022 一般社団法人 日本内科学会
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