日本内科学会雑誌
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今月の症例
粉じん曝露の低減により改善した溶接工肺の1例
住友 賢哉森住 俊高橋 清英西山 美保髙橋 佳伸岩村 伸一前田 健一篠原 勉
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2022 年 111 巻 2 号 p. 296-302

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抄録

溶接工肺はヒュームの吸入により発症するじん肺症の一つであり,粉じん曝露の低減や回避により改善が期待されるじん肺症である.症例は44歳男性.慢性咳嗽を主訴に来院した.職業歴,血清フェリチンの上昇ならびに胸部CT(computed tomography)所見から溶接工肺を疑い気管支鏡検査を実施した.気管支肺胞洗浄液中に鉄染色陽性のマクロファージを認め,溶接工肺と診断した.溶接マスクの徹底により改善を認め粉じん曝露の低減の重要性が示された.

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© 2022 一般社団法人 日本内科学会
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