日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
今月の症例
竿燈演技による外因性圧迫が原因と考えられた右鎖骨下静脈血栓症の1例
栗原 茉莉子阿部 起実岩谷 真人石田 秀明照井 元
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 111 巻 3 号 p. 599-604

詳細
抄録

症例は40歳,男性.右上腕腫脹と胸部苦悶感で当院を受診し,右鎖骨下静脈血栓症と多発性肺血栓塞栓症と診断し入院治療を行った.血栓性素因となる疾患はなく,原因として竿燈演技の竿の位置による外因性圧迫が疑われた.肩の圧迫部位を変えて検証実験を行ったところ,超音波検査で鎖骨下静脈の血流阻害の所見を認めた.竿燈演技において,竿を乗せる位置を誤ることで上肢深部静脈血栓症のリスクになり得ると考えられた.

著者関連情報
© 2022 一般社団法人 日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top