日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
今月の症例
両側副腎腫瘍が疑われた免疫不全症に伴う播種性Mycobacterium avium complex症の1例
宮松 晶子根岸 圭柴田 智文角田 陽平石井 あずさ粥川 貴文折中 雅美小林 正宏龍華 祥雄浅野 周一
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 111 巻 3 号 p. 605-610

詳細
抄録

49歳,男性.発熱,高カルシウム(Ca)血症のため入院.両側副腎腫大を認め,当初悪性腫瘍が疑われたが,胃,肝臓,皮膚,血液等複数臓器よりMycobacterium avium complex(MAC)を検出し,播種性MAC症と診断した.高Ca血症は肉芽腫性炎症に起因した病態と考えられた.幼少期より多数の感染症罹患歴があり,精査にて免疫不全の存在も明らかとなったが,関連する遺伝子異常は認めず,分類不能型免疫不全症(common variable immunodeficiency:CVID)と診断した.抗菌治療開始後,抗酸菌培養は陰性化,副腎病変も縮小を認めた.

著者関連情報
© 2022 一般社団法人 日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top