日本内科学会雑誌
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III.尿路感染症
高山 陽子
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2023 年 112 巻 11 号 p. 2059-2067

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抄録

尿路は腎臓,尿管,膀胱,尿道を含み,感染部位に応じて治療戦略が異なる.菌の侵入経路は多くが直腸常在菌による上行性であり,主な原因はグラム陰性桿菌である.単純性膀胱炎に嫌気性菌カバーを含む広域抗菌薬は不要であるが,腎盂腎炎やウロセプシスなどは徹底した治療を要する.無症候性細菌尿は例外を除き抗菌薬は不要である.近年,ESBL産生菌などの薬剤耐性菌の分離が増加している.尿塗抹や尿培養による原因菌検索が診断と治療のために欠かせない.

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© 2023 一般社団法人 日本内科学会
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