日本内科学会雑誌
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今月の症例
SARS-CoV-2 mRNAワクチン接種後に再燃し,治療に難渋した免疫性血小板減少症の1例
長谷部 理矩長島 加奈水越 誉久小野 賢人下山 紗央莉蟹沢 祐司
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2023 年 112 巻 7 号 p. 1250-1256

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抄録

症例は70歳台男性.10年前に免疫性血小板減少症(ITP)を発症し維持療法を受けている.SARS-CoV-2 mRNAワクチン接種3日後に血小板数は1,000/μlに減少し,出血症状を呈した.治療開始後もさらに好中球減少も出現するなど難治性であった.維持療法中あるいは過去に治療歴がある場合,ワクチン接種後のITP再発頻度が高いとされている.接種の際には事前の患者指導や接種後の血球数確認が重要である.

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© 2023 一般社団法人 日本内科学会
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