日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
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112 巻, 7 号
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内科学会NEWS
目次
特集 多発性骨髄腫と類縁疾患
Editorial
トピックス
MCQ
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 今井 健二郎, 大杉 満
    2023 年112 巻7 号 p. 1280-1285
    発行日: 2023/07/10
    公開日: 2024/07/10
    ジャーナル フリー

    高血圧や糖尿病を含めた非感染性疾患(Non-Communicable Diseases:NCDs)を有する患者に対する適切な診療を行うためには,医師のみではなく,多くの医療関係者による各分野の専門性を活かしたチーム医療が重要である.各疾患において専門家としての診療の質を担保する仕組みがある一方で,NCDsは慢性疾患であるため,1人の患者が複合した疾患を抱えることが多いのが実情である.そこで本稿では,NCDsの中でも特に生活習慣が関わる“日本糖尿病療養指導士制度”“循環器病予防療養指導士制度”“腎臓病療養指導士制度”“肥満症生活習慣改善指導士制度”の4つの療養指導士等制度について,その現状と今後の発展について概説する.療養指導士等が複合した疾患を抱える患者に対するチーム医療の中で重要な存在として活躍することで,国民の更なる健康増進につながることが期待される.

  • 北原 匠, 安藤 昭一朗, 加藤 泰介, 永井 貴大, 斎藤 理恵, 上村 昌寛, 金澤 雅人, 石原 智彦, 小野寺 理
    2023 年112 巻7 号 p. 1286-1291
    発行日: 2023/07/10
    公開日: 2024/07/10
    ジャーナル フリー

    脳小血管は,脳の実質への穿通枝や,軟膜動脈以降の細い血管の総称で,部位ごとに特有の構造と機能を持つ.この小血管を侵す疾患群を脳小血管病という.脳小血管病は,MRIでは,脳白質の信号異常領域などで認識され,高齢者で高頻度に認める.急性のラクナ梗塞や,慢性の認知機能障害,運動機能障害を引き起こす.近年,単一遺伝子異常でおこる脳小血管病や,脳小血管病に特有のリスク遺伝子が明らかになり,大血管由来の脳卒中と異なる分子病態の存在が示唆されている.単一遺伝子異常で起こる脳小血管病の原因遺伝子であるHTRA1は潜性で発症するが,近年,ヘテロ接合体でも脳小血管病を起こし,また,非遺伝性の脳小血管病のリスク遺伝子としても単離された.HTRA1はタンパク質分解酵素であるが,この活性の低下が広く脳小血管病の発症と関連する.HTRA1欠損症の分子病態解析から,本疾患に有効な治療薬の開発が期待されている.

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