2024 年 113 巻 10 号 p. 1938-1943
胃食道逆流症(GERD)は喘息にしばしば併存し,双方の疾患の発症に影響する.GERDによる喘息発症にはReflux theoryとReflex theoryの2つの機序が想定されている.GERDは喘息の重症度,QOLの低下,コントロール不良に影響し,喘息治療により呼吸器症状のコントロールが不十分な場合はGERDの関与を念頭に置く必要がある.機能性ディスペプシアの喘息・咳喘息の病態への関与も示唆され,酸症状だけでなく腹部膨満感,上腹部不快感なども評価する必要がある.