日本内科学会雑誌
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V. 溶血性貧血
3. 遺伝性球状赤血球症
石田 陽治小野寺 志眞筑紫 泰彦
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2006 年 95 巻 10 号 p. 2056-2059

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抄録

遺伝性球状赤血球症は遺伝性溶血性貧血のなかで約2/3を占める疾患である. 本症の病態は赤血球膜蛋白異常と考えられており, そのために小型球状赤血球の出現, 浸透圧抵抗脆弱性を伴っている. 臨床症状には貧血を示すものの比較的よく代償されており, 多くは軽症である. 様々な程度の黄疸, 脾腫を伴う. 末梢血には, この症例に特異的な小型球状赤血球が出現する. 有効な治療法は摘脾である. しかしながら摘脾後には動脈硬化が進んで, strokeとheart attackの危険度が増すことが報告されているので慎重な選択が必要である.

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© 2006 一般社団法人 日本内科学会
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