日本内科学会雑誌
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今月の症例
血清ビタミンB12値正常の亜急性脊髄連合変性症の1例
勝浦 由美高堂 裕平小出 隆司石黒 英明
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2006 年 95 巻 10 号 p. 2084-2086

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抄録
高齢者においてはビタミンB12 (以下VitB12) の組織内欠乏は明らかでも血清VitB12の低下を示さないことがあるといわれている. 症例は71歳男性, 亜急性の歩行障害で発症, 血清VitB12値正常であったが, 脊髄MRIにて頸髄~上部胸髄, 下部胸髄, 腰髄の後索, 両側索に高信号域を認め, 血清, 尿中メチルマロン酸値上昇にてVitB12組織内欠乏による亜急性脊髄連合変性症 (subacute combined degeneration : SCD) と診断した. VitB12投与により症状は軽快し, 杖歩行が可能となった.
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© 2006 一般社団法人 日本内科学会
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