日本内科学会雑誌
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I. 内分泌性高血圧症の分類と疫学
3. 副腎偶発腫に占める副腎性高血圧の頻度
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2006 年 95 巻 4 号 p. 629-633

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抄録
副腎性高血圧は, 的確に診断と治療を行えば, 治癒可能な高血圧であり, 臨床的に極めて重要であると考えられる. わが国の副腎偶発腫における病因でsubclinical Cushing症候群を含むコルチゾール産生腺腫が11.7%, 褐色細胞腫8.7%, アルドステロン産生腺腫4.3%であり, 副腎性高血圧は約25%を占める. 副腎偶発腫が見つかれば, その4分の1の症例が副腎性高血圧をきたす可能性がある. 男女別にみると, 男性では5人に1人, 女性では3人に1人が副腎性高血圧をきたす可能性があり, 治癒可能な高血圧を的確に治療していくことが重要である.
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© 2006 一般社団法人 日本内科学会
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