日本内科学会雑誌
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III. 最近の話題
3. リンパ脈管筋腫症
TSC 遺伝子解析からLAMの進展機序への展開―
瀬山 邦明熊坂 利夫
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2006 年 95 巻 6 号 p. 1048-1057

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抄録
リンパ脈管筋腫症 (LAM) は癌抑制遺伝子であるTSC1 あるいはTSC2 遺伝子のloss-of-function mutationにより生じる癌抑制遺伝子症候群のひとつであり, 遺伝学的にはTSC-LAMとsporadic LAMの2種類の臨床病型がある. LAMはリンパ管新生能を有する病変で, リンパ管内皮細胞に被われたLAM細胞クラスター (LCC) がLAM病変からリンパ流に放出される. LAMはTSC 遺伝子変異により形質転換したLAM細胞がリンパ管新生とLCC形成を介してリンパ流と右心系静脈との間を行き来し, 体軸リンパ系や肺内に不連続な病変を形成する疾患である.
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© 2006 一般社団法人 日本内科学会
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