抄録
家庭血圧は現在本邦で3,000万台以上が各家庭で稼動している.医療者の家庭血圧に対する評価は高いが,医療者,一般市民ともに,家庭血圧に関する適切な知識は不充分であり,正しい情報の普及活動が必要である.更にその前提として,家庭血圧測定条件,評価の標準化が必要である.家庭血圧の高血圧診療における普遍性(共通性,共有性)を確立するために,ガイドラインは不可欠である.現在最も混乱している点は一機会の測定回数と,どの血圧値を評価するかの問題である.高血圧診断の目的には,一機会に複数回測定された第一回目の家庭血圧値の長期の平均値を用いることがすすめられる.