日本内科学会雑誌
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I.新しい検査の意義と使い方
4.KL-6とSP-D
大成 洋二郎服部 登河野 修興
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キーワード: KL-6, SP-D, 膠原病, 間質性肺炎
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2007 年 96 巻 10 号 p. 2144-2150

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抄録

KL-6とSP-Dは共に,間質性肺炎に対する鋭敏な血清マーカーとして,診断や病勢把握,さらには予後予測因子として実地臨床にて頻用されている.一方,膠原病には高頻度に間質性肺炎が合併し,その臨床経過や予後を左右する重要な病態であると理解されている.血清KL-6やSP-Dを測定することにより,膠原病患者における間質性肺炎の合併をいち早く検出できる可能性があり,また,膠原病関連間質性肺炎と診断された場合には,これらのマーカーはその病勢を見る指標としても使用しうるものと期待される.ただし,測定値を解釈する際には,KL-6,SP-Dの生物学的特性と,その測定値が保持する有用性と問題点をしっかり把握しておく必要がある.

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© 2007 一般社団法人 日本内科学会
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