日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
II.診断と治療の実際
9.リウマチ性多発筋痛症
佐野 統
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 96 巻 10 号 p. 2214-2219

詳細
抄録
リウマチ性多発筋痛症(PMR)は高齢者に発症する体幹近位部の上肢帯,下肢帯,こわばりを主訴とする原因不明の炎症性疾患である.側頭動脈炎(TA)を合併することがしばしばある.特異的な臨床所見に乏しいため,鑑別診断に苦慮することも多いが,TAの合併がない場合は低用量のステロイドが著効する予後良好な疾患である.赤沈値の高度の亢進とCRPの上昇がみられ,自己抗体は陰性である.筋電図や筋生検像に異常はみられない.TA合併例では大量のステロイドが必要である.ステロイド抵抗例には免疫抑制薬やTNF-α阻害薬が有用である.
著者関連情報
© 2007 一般社団法人 日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top