日本内科学会雑誌
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II.新臨床研修制度の影響
1.臨床研修の現状:大学病院·研修病院アンケート調査結果
福井 次矢高橋 理徳田 安春大出 幸子野村 恭子矢野 栄二青木 誠木村 琢磨川南 勝彦遠藤 弘良水嶋 春朔篠崎 英夫
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2007 年 96 巻 12 号 p. 2681-2694

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抄録

平成16年度に開始された新医師臨床研修制度が研修終了時の研修医の臨床能力にどのような影響をもたらしたのかを調査する目的でアンケート調査を行った.旧制度下の研修医(平成15年3月の2年次研修医)に比べて新制度下の研修医(平成18年3月の2年次研修医)は,調査対象となった幅広い臨床能力の修得状況(自己評価)が全般的に著しく向上し,以前認められていたような大学病院の研修医と研修病院の研修医との差がほとんど認められなくなった.また,調査対象となった82の症状·病態·疾患と4種類の医療記録すべてについて,旧制度下の研修医に比べて新制度下の研修医の経験症例数·記載件数が有意に多かった.新医師臨床研修制度による研修医の幅広い臨床能力修得という目的は達成される方向にあることが示唆された.

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© 2007 一般社団法人 日本内科学会
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