日本内科学会雑誌
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今月の症例
ステロイドパルス療法が奏効した肺病変合併薬剤性過敏症症候群の1例
濱本 淳二冨田 雄介上原 悠輔須加 原一昭藤井 一彦松本 充博興梠 博次
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2007 年 96 巻 12 号 p. 2779-2782

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抄録

薬剤性過敏症症候群(DIHS;drug-induced hypersensitivity syndrome)は,Stevens-Johnson症候群,中毒性表皮壊死症と並ぶ重症薬疹の一つである.DIHSはカルバマゼピンなどのいくつかの限られた薬剤投与後,多くは3週間以上経過して遅発性に生じる重症中毒疹である.顔面から頸部にかけての腫脹を伴う紅班で発症し,再増悪を認める二峰性の臨床経過が特徴とされている.更に注目すべき特徴として,近年ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)の再活性化が本疾患の病態に関与していることが明らかにされてきた.今回DIHSに肺病変を合併した症例を経験し,気管支肺胞洗浄(BAL)液中のCD4/CD8の低下から,肺病変もまたHHV-6再活性化の関与が推測された.内科診療においても重要な疾患と考えられたため報告する.

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© 2007 一般社団法人 日本内科学会
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