日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
II.低カルシウム血症
3.カルシウム感知受容体遺伝子異常と副甲状腺機能低下症
大薗 恵一
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 96 巻 4 号 p. 702-706

詳細
抄録

PTH分泌は血清カルシウム値により厳密に調節されているが,血清カルシウム値を感知する分子がカルシウム感知受容体(CaSR)である.CaSRはG蛋白質共役型膜蛋白質である.CaSRの活性型変異では,血清カルシウム値は実際より高いと判定され,PTH分泌は抑制され,低カルシウム血症となる.この遺伝性疾患を,家族性低カルシウム血症もしくは常染色体性優性低カルシウム血症と呼び,副甲状腺機能低下症に類似の病態となるが,比較的尿中カルシウム排泄量が多いことで区別される.

著者関連情報
© 2007 一般社団法人 日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top