日本内科学会雑誌
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III.B型慢性肝炎の抗ウイルス療法
2.劇症化:そのメカニズムと治療の実際
名越 澄子持田 智藤原 研司
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2008 年 97 巻 1 号 p. 43-49

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抄録

B型肝炎ウイルス(HBV)による劇症肝炎および遅発性肝不全には,HBVの急性感染例と無症候性キャリアからの急性増悪例が含まれる.急性感染例では,肝類洞内凝固による微小循環障害が顕著と想定されるため,ATIII濃縮製剤と合成蛋白分解酵素阻害薬を中心とした抗凝固療法を行う.キャリア例では,プロトロンビン時間が40%~60%以上の段階でラミブジンまたはエンテカビルによる抗ウイルス療法を開始する.

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© 2008 一般社団法人 日本内科学会
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