2008 年 97 巻 11 号 p. 2636-2641
わが国における抗菌化学療法は医療技術の進歩とともに大きな発展を遂げた.しかし,耐性菌の出現など新たな問題に直面することとなり,院内感染診療はますます重要となっている.適切な抗菌化学療法や感染管理の指針を示すために,肺炎などに関する多くの診療ガイドラインも刊行されてきた.しかし,抗MRSA薬やカルバペネム系抗菌薬をはじめとする強力な抗菌薬の開発やPK/PD理論など新しい情報の登場に合わせ,適宜,院内感染症診療の内容の見直しを続けていくことが重要である.