日本内科学会雑誌
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II.原発性副腎機能低下症の診断
1.副腎機能低下症の診断とコルチゾール測定感度
成瀬 光栄立木 美香田辺 晶代
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2008 年 97 巻 4 号 p. 716-723

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抄録

原発性副腎皮質機能低下症は倦怠感などの非特異的症状,色素沈着,低ナトリウム血症,高カリウム血症などに注目し,本疾患を疑った場合,コルチゾール,ACTHを測定する.典型例ではコルチゾール低値,ACTH高値から原発性と診断可能であるが,コルチゾールの低値域はキット間でばらつきがあるので評価に注意する.必ずACTHと合わせて評価すると共に,適宜,迅速ACTH試験を実施し副腎皮質機能の予備能低下を確認する.基礎疾患診断のため胸部X線,抗副腎抗体,副腎CTなどを実施する.続発性との鑑別が困難な場合にはCRH試験,下垂体MRIなど視床下部・下垂体系の評価を行う.

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© 2008 一般社団法人 日本内科学会
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