日本内科学会雑誌
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今月の症例
出血性十二指腸潰瘍を契機に診断されたツツガムシ病の1例
吉永 秀哉階子 俊平長岡 克弥肱岡 範竹熊 与志北田 英貴川口 哲一二三 倫郎中村 太造
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2008 年 97 巻 8 号 p. 1873-1875

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抄録

出血性十二指腸多発潰瘍にて入院となった,86歳,男性.入院後発熱,肝障害,意識障害が出現した.経過中にダニの刺し口を疑う痂皮を認めミノサイクリンを投与し,以後全身状態は速やかに改善した.後日血清学的にツツガムシ病と診断した.病原体のリケッチアは細血管内皮細胞で増殖し様々な臓器障害を来すが,十二指腸潰瘍の報告例は極めて稀である.本例の潰瘍はその特徴から微小循環障害が原因と思われ,ツツガムシ病による臓器障害の可能性が高い.

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© 2008 一般社団法人 日本内科学会
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