2009 年 98 巻 1 号 p. 37-43
病歴や臨床所見から潰瘍性大腸炎(UC)やCrohn病(CD)が疑われる場合は,確定診断のためにX線や内視鏡により消化管病変の評価を行う.UCでは,直腸から連続するびまん性炎症が特徴で多発する潰瘍やびらんを伴う.CDでは小腸や大腸を中心に非連続性病変を認め,縦走潰瘍や敷石像,狭窄,瘻孔などがみられる.なお不整形潰瘍やアフタのみの場合もあるが,その配列に縦列傾向があればCDの可能性が高い.両疾患を診断するうえで,X線や内視鏡所見の特徴を理解しておく必要がある.