日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
I.診断と関連検査の進歩
1.空腹時・食後高血糖とその診断基準
門脇 孝
著者情報
キーワード: IGT, IFG, 境界型, 正常高値
ジャーナル フリー

2009 年 98 巻 4 号 p. 717-724

詳細
抄録

空腹時血糖値の正常域は糖尿病発症のリスク,また糖負荷試験を行なった場合の境界型の頻度などに基づいて定められる.正常域と境界域のカットオフ値については,100mg/dlあるいは110mg/dlのどちらに規定すべきかについては国際的な議論がなされている.日本糖尿病学会は,空腹時血糖値100~109mg/dlのものは従来通り正常域(<110mg/dl)とするものの,"正常高値"として取り扱うこととした.食後高血糖については,大血管障害のリスクという観点からエビデンスが集積されている.その治療目標値についても国際的な議論がなされているが,我が国ではHbA1c 6.5%未満,食後2時間血糖値180mg/dl未満が推奨されている.

著者関連情報
© 2009 一般社団法人 日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top