2009 年 98 巻 4 号 p. 862-865
近年,FIP1L1/PDGFRα融合遺伝子(FP遺伝子)陽性の慢性好酸球性白血病(chronic eosinophilic leukemia;CEL)に対するimatinib(IM)の有効性が示され,治療成績は著しく改善しているが長期予後には不明な点も多い.今回,我々はIMに耐性化し終末期に自然気胸を併発したCEL症例を経験した.剖検で好酸球の肺胞への高度の浸潤およびその近傍の線維化,気腫化が確認され,CELの進行が肺実質の破壊をきたし気胸の原因となったと推定された.