日本内科学会雑誌
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III.治療
1.血栓溶解療法
豊田 一則
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2009 年 98 巻 6 号 p. 1263-1269

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抄録

組織型プラスミノゲン・アクティベータ(tPA)の静注療法は,発症3時間以内の虚血性脳卒中患者に対する標準治療として普及している.国内外の成績をおおまかにまとめると,この治療後の症候性頭蓋内出血は1割未満で,3カ月後に約4割の患者が完全自立している一方,1~2割が死の転帰をとる.治療成績に影響を及ぼす要因として,初期重症度や血管閉塞部位,早期虚血性変化の広がりなどが挙げられる.病院前救護や病院内の救急診療体制の整備が,治療成績の向上のために不可欠である.

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© 2009 一般社団法人 日本内科学会
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