日本内科学会雑誌
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1.疫学
2)大動脈瘤の疫学
堀 進悟
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2010 年 99 巻 2 号 p. 226-230

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抄録
本邦には大動脈瘤に関する大規模な疫学調査は存在せず,手術統計,剖検報告,救急医療関連情報等の断片的な情報から,あるいは欧米の報告から,有病率や発症頻度が推測されている.欧米では腹部大動脈瘤を60歳以上の4~9%に認めるが,4cm以上の瘤は55~64歳の1%,65歳以上の2~4%である.胸部大動脈瘤は腹部大動脈瘤より少なく,10万人あたり6人である.加齢,喫煙,男性,高血圧,動脈硬化などが危険因子である.本邦では,大動脈疾患のために人口10万人当たり8.5人が死亡し(解離を含む),東京都監察医務院の剖検の1.28%が大動脈瘤破裂である.
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© 2010 一般社団法人 日本内科学会
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