2010 年 99 巻 8 号 p. 1903-1906
症例は腎動脈狭窄症を合併した陳旧性心筋梗塞の62歳,男性.急性心筋梗塞にて救急搬送され,冠動脈形成術を施行.高血圧,慢性腎不全を認めており,外来にて経過観察中に,うっ血性心不全を発症.右腎動脈閉塞,左腎動脈狭窄を認め,治療抵抗性の腎血管性高血圧症および急性腎不全により無尿を来たした.腎動脈エコーで,左腎動脈のRI(resistive index)は0.45であり,左腎動脈狭窄に対して腎動脈形成術(PTRA:percutaneous transluminal renal angioplasty)を施行した.術直後より有効な利尿が得られ,透析導入を回避でき,高血圧のコントロールが可能となった.