日本内科学会雑誌
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原発性類殿粉症の1例
甘利 正哉
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1961 年 50 巻 3 号 p. 269-274

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抄録

症例は60才,男,農業,生来健康で酒を好む.昭和32年11月頃より運動時呼吸困難を覚え,皮下点状出血斑が現われ昭和34年当科に入院し,血小板減少性紫斑病と診断され, Dexamethasoneの投与を受け軽快退院した.その後再び出血斑,浮腫,呼吸困難が増惡し,昭和35年2月再入院した.出血斑を伴なつた高度のうつ血性心不全は次第二増強した.経過中粘液水腫を疑つたが,甲状腺末,ジギタリス剤等無効であつた.昭和35年4月急死した.剖検で全身諸臓器の間質に類殿粉質の沈着を認め,その程度は心,肺,消化管,脾,膵に最も高度で肝,腎には軽度,肝は表面顆粒状で硬く,輪状肝硬変を伴なつていた.

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