日本内科学会雑誌
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INH投与後の血清中濃度に及ぼす自律機能の影響
藤本 文彦
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1963 年 52 巻 8 号 p. 875-884

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抄録

家兎を使用して,内臓神経または迷走神経を切断,あるいは各種自律神経薬を投与し,自律神経異常状態下のINH血清中濃度を, Mandelの生物学的定量法変法により測定して,自律機能の影響を検討した.更にアドレナリンの作用を詳細にするとともに,内臓神経切断との関係,チラミンの作用との比較, ACTH,副腎皮質ホルモンとの関連をも併せて検討した.結果は,迷走神経切断並びに副交感神経遮断または交感神経緊張ではINH血清中濃度は上昇し,内臓神経切断ならびに交感神経遮断または副交感神経緊張では低下する傾向を示した.またアドレナリンは皮下注射早期にINH血清中濃度を上昇せしめるが,持続時間は短く,かつINH血清中濃度の低下している時点では影響を及ぼさなかつた.チラミン, ACTH,副腎皮質ホルモン投与ではアドレナリンの如きINH血清濃度の上昇傾向をみとめなかつた.

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